映画『バスキア 10代最後のとき』
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新作ではありませんが『バスキア 10代最後のとき』(2018年)バスキアのドキュメンタリー映画を観たので感想です。

作品情報

原題:Boom for Real: The Late Teenage Years of Jean-Michel Basquiat/アメリカ公開2017年/79分監督:サラ・ドライバー



感想

ZOZOTOWNの前澤友作が2017年に《Untitled》というバスキアの絵を123億円で購入したというニュースが話題になりました。

「この絵めっちゃいいじゃん!123億円で買った!」ってなるってことでしょ。なにそれは投資信託よりいいの?外貨買うよりいいとか?そんなの関係なくて欲しいから買うの?よくわかりませんが私には理解し難い世界でございます。

アートの世界でなぜここまで高額な行われているかは謎ですが、バスキアの絵や現代アートなどは見ていると楽しいことには変わりないのでお金の問題はとりあえず置いて映画のことを書きます。

アートと金と言えば過去にこんな映画の感想書きました。↓



本名ジャン=ミシェル・バスキアは1960年にニューヨーク出身のアーティストです。彼の10代の時の生活や創作活動などを中心に友人や知り合いのインタビューを交えて話が進んでいきます。

まずバスキアのことより驚くのが1970年代のニューヨークの風景です。廃墟だらけのビルや街中の壁も地下鉄を走る電車の外だけではなく内部もグラフィティアートでメチャクチャになっていて無法地帯になっている事です。

汚いと言えばアーティストに悪い気もするが、やっぱり現代を生きる私にとってはただ荒れまくっているように見えます。ドラッグも蔓延した環境でリアルにこんな時代があったとはただただすげぇなという感じです。

映画はこの時代のアートシーンや音楽などインタビューや映像で当時の空気感が伝わってくる作品となっていてこの時代を知らない私にとってはとても興味深い内容でした。

バスキアは住所はなくホームレス生活をし友人などの家を渡り歩いて生活していました。彼は有名になる前に”SAMO@”セイモというグラフィティユニットを友人のアル・ディアズと組んでいてニューヨークにある路地の壁などいたるところにアートを書いていました。

アートと言っても絵ではなく詩です。バスキアは詩人でもあるのです。

SAMO@は有名で誰が書いていたかは知られていませんでしたが、公の場でバスキアが名乗り出たことで彼は有名人になりました。しかし、友人のアルの名前を出さなかった事で彼と仲たがいしてしまいます。

アルや100本以上の列車にスプレー画を描いたリー・キュノネスや生物学者のアレクシス・アドラーなど様々なバスキアと関わった人物が当時、彼とどういう風に一緒に過ごしていたのか話し映画は進んでいきます。

10代のバスキアはハッパを吸いクラブに出掛けみんなと一緒に楽しく過ごしていたようで、家などのテーブルや椅子、壁、浴槽、冷蔵庫になにもかも彼のキャンパスのようでいろんなものを張り付けたり塗ったりと常に何かを創っていたそうです。

あと写真や映像で登場するバスキアの髪が半分スキンヘッドのような髪型でインパクト大です。

友人のコートも金色に塗っちゃうんだから。しかも友人もゴキゲンにコートを着たというエピソードを嬉しそうに語る姿が見ていて微笑ましいです。バスキアだからオッケーなんでしょうね。彼じゃなかったら普通にブチ切れでしょうね。

ラジカセを抱えてラップミュージックではなくノイズ音楽を聴いていたというのが印象深かったですが、家で大音量で音楽を聴いていると大家に怒られるとF××K YOUと返したらしいです。さすがです。

よく映画ではこうゆうシーン観ますけどガチでやるんですね。

彼はグレイというバンドのメンバーでもあり(日本のグレイじゃないっすよ)クラリネットをいつも持ち歩いています。かなり奇抜なライブスタイルで首だけ出てる人や天井から足だけの人など映像は出てきませんが絵で説明されとても面白そうです。

観たいなぁこのライブ。映像に残ってないのかな。

デヴィッド・バーンやデボラ・ハリーなど彼のバンドを観に来たそうです。

そんな活動と共にマンメイドという服に絵を描いた作品やコピー機のを使用したコラージュにドローイングなど次々にアートを生み出していきます。

展覧会で作品に注目が集まり彼は一躍有名人になりました。

アンディ・ウォーホルとの接触秘話など軽く語られるくらいで彼のファンであるバスキアはウォーホルを意識した創作活動だったらしいのですが映画ではそこまで深くは掘り下げたりはしていませんでした。

79分と短めだしね。

このドキュメンタリー作品は、バスキアの映像と共に映画監督のジム・ジャームッシュなど10代のバスキアと同じ時間を楽しんだ友人が彼の人柄を回想し70年代後半のニューヨークのカルチャーを語るような作品であり、バスキアに深く迫ったというよりは、彼と時代を過ごしたみんなはとてもバスキアを愛しているよというのが伝わってうくるドキュメンタリー映画でした。

六本木で11月までやっていたバスキア展はいかなかったけど今度、展覧会開催したら是非観に行きたいですね。