『運び屋』クリント・イーストウッドの贖罪?!娘のアリソン・イーストウッドと34年振りの共演

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画像は公式サイト映画「運び屋」より引用

日本公開日2019年3月8日

本作、娘のアリソン・イーストウッドとは1984年に公開された映画『タイトロープ』以来、34年振りの共演で、映画内でも父と娘の関係で役を演じています。

映画『運び屋』の原題『The Mule』は ラバ(馬とロバの交配種)という意味ですが、ラバに荷物を運ばせることが転じて「運び屋」となるらしく、園芸家で90歳の麻薬の運び屋 “Drug Mule” をクリント・イーストウッドが演じています。

ちなみに”mule”は、頑固という意味もあります。

この映画はレオ・シャープという実在の人物を基に作られているみたいです。

映画『運び屋』特報2【HD】2019年3月8日(金)公開
動画はYouTube「映画 運び屋 特報2」より引用
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作品詳細

原題:The Mule 2018年/アメリカ/116分
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ニック・シェンク
原案:サム・ドルニック「シナロアカルテル90歳の運び屋」
出演者:クリント・イーストウッド、アリソイーストウッド、ブラッドリー・クーパー、ローレンス・フィッシュバーン、マイケル・ペーニャ、ダイアン・ウィースト、アンディ・ガルシア

あらすじ

一度に13円憶相当のドラッグを運んだ”伝説の運び屋”の正体は…90歳の老人だった。90歳になろうとするアール・ストーン(クリント・イーストウッド)は金もなく、ないがしろにした家族からも見放され、孤独な日々を送っていた。ある日、男から「車の運転さえすれば金をやる」と持ち掛けられる。なんなく仕事をこなすが、それはメキシコ犯罪組織によるドラッグの運び屋。 気ままな安全運転で大量のドラッグを運び出すが、麻薬取締局の捜査官(ブラッドリー・クーパー)の手が迫る……。果たして男は、逃げ切れるのか⁉

公式サイト映画「運び屋」から抜粋

感想と見どころ

主人公アール・ストーン

主人公のアールストーン(クリント・イーストウッド)は退役軍人でもあり、園芸家でデイリリーという百合の花を栽培しています。栽培が難しいデイリリーを、見事に咲かせることができる非常に優秀な園芸家です。

90歳と高齢ですが 、全米各地の品評会を飛び回り、園芸家として人生を捧げてきました。しかし仕事ばかりで娘の結婚式や家族行事など、ないがしろにしてきた為、娘は何年も口を聞いてくれず妻にも疎まれ家族関係は最悪です。

アールを理解してくれている孫の結婚式に出席すると、妻と口論をして会場を最悪の雰囲気にしてしまう始末です。

アール・ストーン演じるクリント・イーストウッドも映画作りに人生を捧げ、 仕事をしてきた 映画人であり、「家族のイベントを欠席するようなことはしてきたかもしれない」と、インタビューで認めています。

運び屋は自伝的でクリント・イーストウッドの実人生と重なるような作りになっていて、年齢も88歳とほぼアールと同じです。映画を通して家族への贖罪のようにも見える作品となっています。

時代が変わりインターネットの波がアールにも押し寄せ、園芸の商売がうまくいかなっていき自宅と農場手放すことになってしまいます。アールはお金もなく困っていたところ、とある男から車を運転するだけの仕事があると持ちかけられ話に乗ります。

しかしこの仕事は麻薬であるコカインを運ぶ仕事であり、いわゆる運び屋です。彼はこの仕事で大金を手に入れ、そのまま何度もコカインを運びシナロアカルテルというメキシコの麻薬犯罪組織と関係が密になっていきます。

この90歳のおじいちゃんは、鼻歌を歌いながらドライヴでもしているかのように陽気に仕事をしています。なんか楽しそうです。コカインを受け取る売人とも仲良くおしゃべりしたり、仕事中、道で立ち往生している車を助けてあげると、黒人にニグロと差別的な事言ったり(差別主義者というより時代についていけていない白人の高齢者)、バイク集団に「ぼうや」と、おせっかいに修理のアドバイスをすると実は女性だったり、すぐ若造はスマホばかりだと文句を言っています。

いわゆる頑固ジジイです。

仕事で大金を稼ぐと嬉しそうだし、麻薬組織のボスに仕事ぶりを評価されパーティーに招待されると、セクシー美女二人と「たまらん」とか言ってなんと一夜を過ごす始末!ボスの手下に説教しだすし、やりたい放題のジジイです。楽しそうなんです!

アール自身も通う、退役軍人達が集まる施設が閉設になりそうだと知ると、運び屋で稼いだ金で施設を立て直しみんなから祝福されます。施設といってもステージ付きのバーみたいなところで、やはり美女にぴったりくっつかれて、ご満悦の表情です。

孫娘の学費の援助をしたりして、家族とコミュニケーションを取ろうとしますが、アールを少し見直しているところはあるものの、今更遅すぎるという感じであまりうまくはいきません。

遅すぎた家族とのコミュニケーション、金で解決しようとする価値観、ついていけないインターネット社会、ポリティカルコレクトネスに鈍感、と時代に取り残されたアールですが、スマホでメールを使おうとしたり、「ニグロじゃなくて黒人て言うんだよ」と注意されると「あぁ、そうか」と素直に受け入れたり柔軟な一面もあります。

頑固でお調子者、柔軟さもあるおじいちゃん。そんな感じです。

ブラッドリー・クーパーと初共演

ブラッドリー・クーパーは、師弟関係にあるクリント・イーストウッドと2014年公開の映画『アメリカン・スナイパー』で監督と役者との関係でタッグを組みましたが、今回は麻薬捜査官コリン・ベイツ(ブラッドリー・クーパー)役で初共演を果たしています。

ブラッドリー・クーパー監督作品の映画『アリースター誕生』では、当初イーストウッドがメガホンを取る予定でしたが、出演予定だったビヨンセの降板などがあり、イーストウッドも降板し、演者だったクーパーが監督と役を兼任して新たにレディー・ガガの出演も決まり、制作されました。公開すると大成功を収めたのは記憶に新しいところですね。

クーパーはイーストウッドとの共演は念願だった為、今回オファーを受けると「すぐにやる!」と快諾したようです。

劇中、運び屋を追う麻薬捜査コリン・ベイツは、捜査中にダイナー(食堂みたいなところ)で偶然アール・ストーンと出会う場面では、なんだか師匠から師弟へ伝言みたいな事になっており、またここでも実人生の継承をしているように見えます。

イーストウッドは言います「俺みたにはなるな」と。

最後に

映画で重要な意味を持っているデイリリーという百合は、1日しか咲かないのでデイとついています。脚本を担当したニック・シェンクはインタヴューで
「もし、人間なら2度目のチャンスは大きな意味をもつ」と語っています。

イーストウッドは語ります。
「人は何かを学ぶのに遅すぎる事はないんだ」
「人生には、越えるべき障害がある。彼(アール・ストーン)は限界を超えてしまったんだ」

今作はコメディです。口が悪く調子のいい、でも何か憎めない、おじいいちゃんが何かを取り戻そうとして気付いたら犯罪を犯して、でもやめられずなんとか埋め合わせをしようとしている。そしてシリアスさもあり、大量のコカインをまさか白人のおじいちゃんが運んでるとは思いもせず捜査が混乱しているなど、社会的な部分でもなんだか考えてしまう映画でした。

アール・ストーンを見ていると終始ニヤニヤしながら鑑賞してしまう筆者でした。

押し付けたい度★★★★★


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