『アートのお値段』映画感想ネタバレ:アートとお金の関係を探るドキュメンタリー

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休日の過ごし方は、美術館巡りなどという事はありません。気になる絵画を画像検索でググって楽しんでいる程度です。パソコンで画像拡大してみたりね。

なのでスーパー素人がアートドキュメンタリーを鑑賞して参りました!

本作のナサニエル・カーン監督は『M・ナイト・シャマラン/ある映画監督の謎』(2004年)というシャマランファンには気なるドキュメンタリー作品を撮っています。

ビデオ未発売ぽいのでどうやって観るのかイマイチ分からないが。

映画『アートのお値段』予告編
動画は公式サイト「アートのお値段」より引用
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作品詳細

原題:The Price of Everything 2018年/アメリカ/98分/ドキュメンタリー
監督:ナサニエル・カーン
出演:ラリー・プーンズ、ジェフ・クーンズ、エイミー・カペラッツォ、ステファン・エドリス

※ここから完全にネタバレになります。
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感想とあらすじ

この映画はアートの値段はどうやって決まるのか?という疑問から作られています。アートとお金の関係を探っていくドキュメンタリーですが、とりあえずその問題を置いておいたとしても現代アートとか呼ばれる作品が、映画館の大きなスクリーンで観れるので視覚的にとても楽しかったです。

ラリー・プーンズのアトリエや、世界的に有数なコレクターのステファン・エドリスの家で数々のコレクションが出てきます。

他にもジェフ・クーンズ、ジョージ・コンド、ジデカ・アクーニーリ・クロスビー、マリリン・ミンター、ゲルハルト・リヒターなどの作品や制作過程などが観れます。

こうアーティストの名前を書いてますけど私はほぼ知りません。

ジェフ・クーンズの”メタリックなウサギ”は知っていますが、正確にはステンレス製の《Rabbit》という作品ですね。こういうアーティスティックな物が次々登場するので面白いです。何故こういう物を作ったのだろう?と考える意味でも。

マウリツィオ・カテランのヒトラーをかたどった《Him》という作品をコレクターのステファン・エドリス宅にある本棚の通路に置いてあります。かなり怖いと思うんですが、ステファンは横で色々と解説しています。

あとダミアン・ハーストというアーティストの動物をホルマリン漬けにした作品も置いてあります。だから怖いんですよね。

でもステファンはとても楽しそうで、他にも色々な作品を紹介してくれます。こういったアーティストの作品を観れるので、これだけで映画としては見応えがあると思います。

しかし、映画の主題はお金とアートの関係です。

ZOZOTOWNの前澤友作がバスキアの《Untitled》を123憶円で落札したとか、ジェフ・クーンズの《Rabbit 》98憶円(映画の制作時はまだこの値段ではない)とか、映画最後はダ・ヴィンチの《サルバトール・ムンディ》が500憶という史上最高額の付いたオークションの音声で終わります。

このように異常に高額なアートは、何故この値段なのかという疑問を追求していきます。ただ、この映画を鑑賞したからといってその疑問が明確に解消出来る訳ではありません。

そういう作りにはなっていません。

映画は関係者にどんどん質問していき、関係者はその問いに答えていきます。そこから見えてくる何かを描いています。

買う人達は作品に魅力を感じてその価格で買うのかもしれないし、単なる投機対象かもしれない。或いは資産分散の一つかもしれない。

いずれの理由だったとしても、”その価格で欲しい人がいるからその価格になるだけの話”だなと映画を観て私は感じました。

ただそれだけ。需要と供給で決まっていると。

近年では話題の仮想通貨があります。もし投機なら熱狂的に買われたビットコインのように暴落したりするのだろうか?

ダ・ヴィンチの《サルバトール・ムンディ》が落札額の歴史を塗り替えたように、まだまだ天井知らずに上がっていくのだろうか?

疑問は尽きないが、とてつもないお金持ち達が、 映画にも出てくるサザビーズのオークション会場に出入りするような人達が、やはり買うときは買うのだろうと。

1917年のマルセル・デュシャンは《泉》という便器の作品で、”観る人がアートと思えばアート”という流れを作ったと聞きます。それを考えるとオークションに参加する人や、この世界の芸術に詳しい人達からすると、とてつもない価格でも妥当性がきっとあるのでしょう。

目の前の1万円札は1万円の価値があるとみんなが思っているから”1万円”という事と同じでしょうか。

冒頭でラリー・プーンズは「アートとお金に本質的な繋がりはない」と語ります。アートとお金を結び付け熱狂する人達、情熱を注ぐ人、そして懐疑的な人。それぞれの理由で人々はアートと関りを持っています。

アーティストのゲルハルト・リヒターは「作品は美術館で飾られる方がいい」と主張します。

予告動画にあるコレクターに作品を売り込むサザビーズのエイミー・カペラッツォは「美術館は墓場」とありますが、実際には「美術館が作品を引き取るとほとんどは地下に行ってしまう」というニュアンスで本編では話していたと思います。確か。

それぞれの立場でアートを捉えて語っているのがとても興味深いです。

そういえばNetflixの映画『ベルベッド・バズソー』(2019)年というジェイク・ギレンホール主演の作品でアートで金儲けをしようとするギャラリスト等、関係者がかなり醜く描かれています。

この関係者達が次々と呪いのようなもので死んでいくというホラー映画ですが、お金とアートの関係を皮肉っぽく描いた作品でした。

本作『アートのお値段』ではこういう皮肉としては描かれておらず、多面的な見方が出来る表現、ドキュメンタリーに仕上がっていたと思います。

筆者的にはアートとは楽しいものであるという事になんら疑問はないので、値段がどうとかは気にせず(経済的、社会的意味としての興味は尽きないが)ビビッ!と来た絵なり作品をまたwindowsパソコンの拡大機能を使って楽しむ事でしょう。

いや、美術館でも行くか。

大変、素晴らしい作品だと思います。

押し付けたい度★★★★☆

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ドキュメンタリー
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