『サラブレッド』映画感想あらすじネタバレ:感情がない人

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映画サラブレッド
(C)2017 Thoroughbred 2017, LLC. All Rights Reserved.

日本公開日2019年9月27日(金)

映画『サラブレッド』を鑑賞してきたので感想を書きます。

目次2-1からネタバレしています。

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作品情報

原題:Thoroughbreds アメリカ公開日2018年/92分/サスペンス 
監督:コリー・フィンリー
脚本:コリー・フィンリー
出演:アニャ・テイラー=ジョイ、オリヴィア・クック、アントン・イェルチン、ポール・スパークス

ロッテントマト
トマトメーター(批評家)87%
オーディエンス(観客)68%

あらすじ

長年疎遠だった幼馴染みの少女アマンダ(オリヴィア・クック)とリリー(アニャ・テイラー=ジョイ)は、コネティカット州の郊外で再会する。鋭いウィットを磨いて強烈な個性を育んだアマンダは、そのせいで社会からのけ者にされていた。一方、上品で洗練された上流階級のティーンエイジャーに成長したリリーは、名門校に通いながら一流企業でのインターンも経験していた。全くの正反対に思えた二人は、リリーが抑圧的な継父を憎んでいると発覚した事がきっかけで心を通わせていくが、友情が深まるにつれて互いの凶暴な性格が顔を出し始める。やがて、自分達の人生を軌道修正する為、二人はドラッグの売人ティム(アントン・イェルチン)を雇い、継父の殺害を依頼するが・・・。

公式サイト『サブレッド』より引用
映画『サラブレッド』30秒予告編
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感想

※まだネタバレしていません。

まず監督、脚本のコリー・フィンリーは映画デビュー作品みたいです。

この映画をひとことで言うと、アニャ・テイラー=ジョイオリヴィア・クック美女っぷりを楽しむ映画です。

リリー役のアニャ・テイラーはM・ナイト・シャマラン監督の映画『スプリット』(2017年)や、ホラー映画の『ウィッチ』(2015年)で評判になり、アマンダ役のオリヴィア・クックはスティーブン・スピルバーグ監督の『レディ・プレイヤー1』(2018年)で主演を務め、今後活躍が期待される二人です。

チラシのソファに腰かけた二人は美脚を見なさいと言わんばかりで、映画タイトルの“サラブレッド”の文字があり、ある意味、説得力抜群のデザインとなっております。

でしょうねでしょうね!だんだん小さく付いている血もハートに見えてきましたよ。なかなか挑戦的な画だと思います。

劇中でも二人の美脚は絶えず披露されています。私を含めた多くの男はこの時点でハイ、オッケー!と、バカ丸出しで良作と言い出しかねない作品であります。

私は思わず出してしまいました。良作です。

美脚とサスペンスですぐに思い出すの作品は、ポール・バーホベン監督の『氷の微笑』(1992年)があります。シャロン・ストーン演じるキャサリン・トラメルの足組で有名な映画です。キャサリンは大人の女性でしたが『サラブレッド』のリリーとアマンダの設定が10代で、実際は20代前半の二人が演じています。ですがフツーに10代に見えます。

なのでシャロン・ストーンのようなセクシーな大人なの女性という感じではありませんが、妖艶な雰囲気をまとっていることは確かです。

しかし、エロいシーンはまったくありません。あらすじに殺害を依頼すると物騒なこと書いてますがゴア表現(残虐なシーン)もほぼないです。この映画はほとんど二人の会話だけで進行し、ずっと彼女達の行動を追っていく内容となっています。

感情のないアマンダは、いままで感情があるかのように演じて、生きてきた事を久しぶりに再会したリリーに打ち明けます。リリーと二人で抑圧的な継父の殺害計画を実行するという一連の流れを、無感情のアマンダが主導していく事でブラックなコメディとなっています。

劇場でもかなり声を上げて観客が笑っている場面もありました。アマンダの行動がかなり笑えます。アマンダにとっては普通の事なのでしょうが、感情を持つ人からした面白いのです。

サイコパスとかソシオパスとか反社会性パーソナリティ障害など、どのような定義で彼女が当てはまるのか分かりませんが、アマンダも精神疾患の治療を受けています。

アマンダが何を考えているのかとか、どういう気分で毎日過ごしているのかなど、非常に気になるところです。ソシオパスについてググると気になる本を見つけました。

この本は自分がソシオパスであると自覚しているM・E・トーマスという女性の自伝らしいのですが、気になるので読んでみたいですね。

アマンダのように無感情だと生きる事がとてつもなく困難であると、想像できますが現実にもアマンダような人がいるならば、私には到底理解不能な世界観を持っているに違いありません。

お金持ちで、一見なにも不自由に見えないリリーは、抑圧された生活を強いられて生活しています。友情が芽生えたアマンダとリリーは、継父の殺害を実行すべく麻薬の売人ティムに計画を打ち明けて実行しようとします。

そして、劇中で度々流れる現代音楽(秩序が捉えにくいリズム)風なサウンドが、なんとも不思議な世界観を演出しています。

※ここから完全にネタバレになります。
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二人の青春映画?

アマンダは無感情人間で普通だと失礼だと思うような事もサラっと言ってのけます。何故かスティーブ・ジョブズの話が多く、彼を崇拝してるかのようです。

というかジョブズ=無感情人間の代表みたいことになってて、とばっちりを受けてるところが笑える。

確かにジョブズには感情が薄い経営者として、映画でも描かれていたりしましたけどもね。アマンダは笑顔も作っているような人間なので。

しかも、リリーにジョブズの話は止めろと言われる始末です。

笑えるシーンが多く、家でテキサスホールデム(ポーカー)をパソコンで対戦しているとアマンダは一人勝ちしています。賭け事は感情に流されない事が重要ですもんね。感情の無い彼女は強いんです。

あるときリリーがアマンダの家へ尋ねます。母親が家から出てきますが、一見普通の母親のようです。部屋に入るとアマンダはベランダに出て背を向けて突っ立っています。

何をしているのかと母親に尋ねますが、母親も娘が何をしているのか分からないようです。完全に不思議ちゃん扱いです。

ウソ泣きもお手のもので、リリーにやり方を教えてあげます。すると、二人で泣いている練習の最中に継父がやってきて謎の空気が流れてしまったり、アマンダコメディは他にもたくさんあります。

アマンダは、馬を安楽死させた過去があったり(動物虐待とみなされて執行猶予中)無感情がゆえにヤバい人間ではありますが、演じているのがいい人そうな顔をしたオリヴィア・クックなので、ヤバい奴にはそんなに見えません。

まあ、そこはアニャ・テイラー=ジョイとオリヴィア・クックを楽しむ映画なのでいいのでしょう。

リリーはもし自分の継父を殺害するとしたらどうやってするかを、アマンダに仮定の話として聞いたところ、なんだかんだで計画が本当に立ってしまい、とある日、継父との衝突で実行に移す決意を固めました。

劇中では継父はイヤな奴ではあるけど、そんなに悪い人とは描かれていないので普通に解釈するとリリーの殺意はかなり突拍子もない感じがします。

私の場合、過去にとんでもない仕打ちを受けたのかな?と、自分の中で動機足りえる仕打ちを勝手に脳内で補完しながら観ていましたよ。

アマンダが手伝う理由も彼女は無感情なので、通常の解釈ではわからないということでしょうか。

なんだか分からないところもありながら、小心者でイキってるだけの麻薬の売人ティムを殺人犯に仕立て上げる計画で彼に接触します。

結局、仕立て上げる計画は失敗してリリーは、アマンダに大量の睡眠薬を飲ませて罪を被せる計画を立てました。

しかし、睡眠薬が入ったジュースを少し飲んだところでリリーは思い留り、罪を被せようとしたことを告白してジュースを飲まないように注意します。

アマンダは自分の人生に意味を見出せないのか感情がないからなのか、リリーの告白を無視してジュースを一気に飲み干してしまいました。驚きながらもリリーは、結局二階に上がり継父を殺害し(その現場は映像には出てこない)血だらけになって一階に戻ってきます。

ソファでぐっすり寝ているアマンダに血を擦りつけて、彼女の膝で一緒に眠るリリーでした。後日、アマンダは刑務所に入り、リリーは学校に進学します。麻薬の売人は辞めたらしいティムと偶然再会したリリーは、お互いの近況を話して映画は終了します。

こんな感じの映画なのですが、見終わると最終的に一番ヤバい奴は無感情のアマンダより、感情でカンタンに人を殺してしまうリリーの方がよっぽどヤバい奴な映画でした。

二人の境遇を考えるとお互いに、どうしようも打破できない現状を二人で手を合わせて、乗り越えたと観る事も出来るのかな? 刑務所のアマンダはリリーへの手紙で「刑務所の中も悪くはない」と言っているので、感情が求められる社会と隔絶した刑務所のほうが彼女にとっては居心地がいいのかもしれません。

孤独な二人はお互いに最高の理解者なのでしょう。実は青春映画か。

アニャとオリビアの魅力とブラックなコメディや、現代音楽、スタイリッシュな映像でなんだかんだ最後まで興味は途切れない映画でありました。

イマイチ消化しきれない部分もありましたが、そのうちこの映画を思い出いしたら、そういう事か!となったりするかもしれません。ならないか。

ティム役のアントン・イェルチェンはこの作品が遺作となりました。自分のイメージはスター・トレックの船員で頼れる人でしたが、本作で演じたヤバめの人もぴったり合ってましたよ。

押し付けたい度★★☆☆☆

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サスペンス
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